迷子の大人惑星ノート

西洋占星術(ホロスコープ占星術)のチャートから時折顔を上げ、 実際の宇宙や天文を楽しむ準星空案内人。惑星ファンといっても物理が苦手な中年宙女(そらじょ)の 考察ノート。

2017年フィギアスケート世界選手権男子シングルで思う牡牛座の火星

フィンランドで開催された2017年フィギアスケート世界選手権男子シングルでは羽生選手1位、宇野選手2位と輝かしい結果で演技も素晴らしかった。

日本人として晴れがましく誇らしいことは別に置いといて、何故かパトリック・チャン選手のフリー演技の選曲が気になった。

「A Journey」 (A Journey by Eric RADFORD)
フィギアスケート選手だったEric Radford氏の作曲だった。

演技を彩る為プラスとなる要素を考え抜かれた付加価値の高い選曲が続く中でとても控え目な曲だからこそ、印象に残った。

https://youtu.be/Hg5AxHq6HbQ

きっとそこにはストーリーがあるのだろう。

インターネットで公表されているパトリック・チャンの生年月日でチャートを検索した。出生時が不明な為、太陽を1ハウスに見立てるソーラーサイン・ハウスで見てみる。

自分を社会に発信するアイデンティティの象意となる1室に5惑星も集結していて、サインは社会的ポジショニングが大切でその為に徹底的な鍛錬を辞さない山羊座である。そして対岸となるパートナー運を示す7室に蟹座の月があり、感性豊かで出会いが多く、母性愛の影響があるようにも思える。高質な美しさを求める情熱(5ハウス牡牛座にある火星)が、主張する自分と影響を受ける相手とのバランスを取っていくチャートとなる。

出生時間が不明なので太陽があるサインを1ハウスとして読むことは、人生を俯瞰するという意味では主観的な要素が強くなり、ハウスを読む上での精度が低くなるものの、好きなことを美しく追及することが、もって生まれた可能性を咲かせることになるチャートだと思う。

影響を受ける相手の象意となる蟹座はとてもドメスティックな星座である。世界選手権フリー演技の作曲者であるEric Radford氏はパトリック・チャンと同郷のカナダ出身でスケーターとしても活躍した方。大事な檜舞台で選んだ心意気が控え目に凛と美しく響いた。

でも、今は火の宮の勢いが止められない。羽生選手も宇野選手も太陽サインは射手座で火の宮である。その二人の華やかさに目を奪われながらも、何故か全体的に控え目な印象だったパトリック・チャン選手のフリー演技と選曲に目が留まったことが不思議だった。

現在占星術的番地では火星は牡牛座にある。パトリック・チャンの情熱の火星も同じ牡牛座にある。例え現在巡っている太陽の光が火星を照らさない時であっても、その火星にリンクするチャートの要素があると、人の琴線に触れる力を発揮するのかもしれない。

本来なら1位と2位お二人のチャートを読むところ、牡牛座の火星に引っ張られたことになる。