迷子の大人惑星ノート

西洋占星術(ホロスコープ占星術)のチャートから時折顔を上げ、 実際の宇宙や天文を楽しむ準星空案内人。惑星ファンといっても物理が苦手な中年宙女(そらじょ)の 考察ノート。

アンチ・アンチエイジングな気持ち

海外TVドラマ「ゴシップガール」で目立っていたブレイク・ライヴリー主演の『アデライン、100年目の恋(The Age of Adaline』のDVDを何の気なしに観た。

http://adaline100.jp/

多分TVドラマのような軽めの恋愛ものかと期待しないで見始めた。
でもハリスン・フォードが脇役を固めているからには、それだけではないはずだ。

事故によて不老の体になってしまった女性がブレイク・ライヴリーの演ずる主人公。
アンチエイジングが主流の現代においては、いつまでも若いなんて何とも羨ましく、オシャレなモードと美しい容姿で最初は何よ~と反感を買いそうな状況である。
が、それは何を意味するか、ストーリーが展開するにつれて意外に底には深いテーマが流れていることに気づく。

時は流れ、人は年を重ね、老化していく。それは決して忌み嫌うべき恐ろしいことではなく、映画を観終わった後には、それが穏やかに自然なことだと受けとめられるようになっていく。

いつまでも若いままのほうが恐ろしいのだ。

ハリスン・フォードが演ずる天文学者が若い時代に予測した、彗星の動きについて伏線が張られていたり、事故の原因を月に隕石が衝突した振動で地球上のある地域で高潮が起こり、潮位が上がり、嵐が起こり、大気中に分子の電荷量が増加し、めったに降らない雪がある地域で降ったからだと説明したりと、宙女がときめく宇宙ワードが登場するのも魅力だった。

人は宇宙の一部だと思うと、時の流れとともに老化していくことは自然の摂理であり、その摂理に身を委ねることは心地良いように思える。

エンドロールで流れる"Start again"(by Rob Simonsen & Faux Fix Ft. Elena Tonra)という曲の中にある
「ひとつの終わりは 新しい始まり」
「ゆっくり話して 言葉を慈しむように」
という歌詞も気に入った。

海外TVドラマの延長のようかと見始めたのだけれど奥行がある映画。アンチ・アンチエイジングの域に達している自分に気づいて心地良かった。何となく得した気持ち♪