迷子の大人惑星ノート

西洋占星術(ホロスコープ占星術)のチャートから時折顔を上げ、 実際の宇宙や天文を楽しむ準星空案内人。惑星ファンといっても物理が苦手な中年宙女(そらじょ)の 考察ノート。

La Notte di San Lorenzo ペルセウス座流星群

8月10日はイタリアではペルセウス座流星群が通過して流れ星が良く見える日とされ、また、殉教した聖ロレンツォが流した涙が星になったとする聖ロレンツォのお祭としてお祝いがされるようだ。

“Stella, mia bella stella, desidero che…”(星よ、美しい星よ、願を聞いて…)と流れ星に願いをかけるのだとか。

聖ロレンツォとはどんな聖人だったかと調べてみた。西暦258年。スペインから司祭を補助する助祭としてローマへ招へいされたロレンツォ。彼はそのお勤めをしながら貧しい人々に教会の資産や財産を分け与えていたそうだ。 その時代の教会はローマ皇帝コンスタンティヌス大帝にキリスト教が公認される数十年前なので、キリスト教が政治的にも勢力を増している時期だと考えられる。布教、教会建築、外交をおこなうには、政治力とともに独自の財政基盤が必要であり、教会の権力はその財力と緊密に結びついていたのだろう。その体制に反逆したことになるロレンツォは教皇庁から命じられた財産の返還に応じなかった。助けた貧者たちとともに現れ「彼らが教会の財産である」と告げたそうな。

抵抗したために、拷問にかけられたロレンツォは、火の熱を帯びて真っ赤になった鉄の格子の上で焼かれ、その時流した涙が彼の命日のこの日流れ星となって見えるのだといわれている。

今年のペルセウス座流星群が極大をむかえるのは日本時間で8月12日の21時。観察時には不都合となる月も深夜には西に沈んで観測条件が最良になるようだ。

観察方法は国立天文台のサイトに詳しく載っている。

http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/201608-perseids/observe.html

 

San Lorenzo -Rosso Conero Umani Ronchi (DOC Rosso Conero) というワインと

共に流れ星に思いを馳せてみるのもいい夜に。