星座signと星座constellation
毎週のホロスコープ鑑定の原稿を書いていることもあり、
トランジットの惑星の位置(実際に公転している惑星の位置)は大方頭に入っている。
ただし、西洋占星術が示す星座は占星術的番地の名称のようなもので、
実際の天文学上の星座とは違う。
英語では
占星術上の星座をsign
実際の天文学上の星座はconstellationといって区別している。
回転しているコマの軸が円を描いて傾いていくように
地球の自転軸は歳差運動をしていて、ゆっくりとはいえ
長い時間には自転軸の向きが円を描くように移動している。
自転軸の位置が移動するということは、軸に近い北極星も変わり、
めぐってくる星座のタイミングも変化してくるということになる。
そのためバビロニア時代に牡羊座にあった春分点は
歳差運動の影響で少しずつ西に移動していて、現在は魚座の後半にあり、
水瓶座に向かっているといわれている。
つまり、実際の星空にある星座から考えると
西洋占星術でいわれる星座の名前は実際の星座の位置より東へひとつ先にある星座を名乗っていることになる。
実際の夜空では木星は獅子座にいるが
占星術的には木星は東へひとつ先にある乙女座という名前を称する番地(昔は実際に乙女座だった場所で今は獅子座の位置だが名前だけ乙女座番地としている)にいるとされるのだ。
このことを知らないと、12年に一度の幸運期といわれている乙女座さんが、
天文観測で現在木星が獅子座にいると聞いて???と混乱してしまう可能性がある。
この星座の違い、意外にちゃんと知られていないかもしれない。